個人事業主の収益状況を資料に基づき説得的に主張した結果、当方主張ベースの基礎収入額を認めさせ、総額約437万円の賠償金を獲得した事例
事案の概要
依頼者(自営業者)は、本件事故により頸椎捻挫の傷病を負い、さらに、めまい、吐き気、頸部痛、手の痺れ、握力低下等の自覚症状が生じて、一定期間の通院治療を受けることとなりました。
治療途中の時点で、相手方から休業損害が僅かしか支払われない状況が続いたことにご不安となり、専門家による助力の必要性を感じられ、ご相談を受け、ご依頼を頂戴しました。
福岡法律事務所・交通事故案件担当弁護士の活動および解決結果
担当弁護士は、依頼者の症状を聴取したところ、症状は重たいと判断しました。
そこで、依頼者には、整形外科で頸部XP、CT、MRI、MMT、深部腱反射、知覚テスト、スパーリングテストといった各種神経学的テストを、耳鼻咽喉科で平衡感覚機能テストを、脳神経内科で神経伝導速度検査、脳脊髄液減少症の検査などを受けていただくよう助言しました。幸いにも治療経過が良好であったため、各検査結果に問題はなかったものの、残存した症状の内容から、後遺障害等級14級9号が認定されました。
本件では、依頼者の休業損害及び後遺障害逸失利益における基礎収入額の計算方法が問題となりました。依頼者は自営業者であり、確定申告書における年収額が約20万円となっていたところ、相手方はその年収額を前提に非常に少ない賠償案を提示してきました。
依頼者は、確定申告書類や税務申告書類をきちんと管理しており、本件事故後も従業員が管理していたことから、事故後の月次の損益計算書と併せて検討し、依頼者の収入を計算しました。
こうした準備の結果、休業損害は当方主張の基礎収入額を前提に、事故から3ヶ月は100%、その後は症状固定時まで50%、20%と傾斜をかける逓減方式で調整しました。後遺障害逸失利益も当方主張の基礎収入額で、弁護士基準と同じく5年間の労働能力喪失期間となりました。慰謝料については、当方主張をある程度呑んでもらった代わりとして調整し、弁護士基準の95%でまとめました。
最終的に、既払い分を除いて約437万円の賠償金を支払ってもらう内容の示談が成立しました。
休業損害の請求
解決事例をポイント別に見る
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