本件は依頼者が2つの事故に遭った事案で、1事故目は比較的大きな追突事故で依頼者が負傷したのに対し、2事故目は比較的軽微な事故で負傷部分が悪化しました。
さらに本件では、2事故目の加害者は任意保険に加入していましたが、1事故目の加害者は任意保険に加入していませんでした。

2事故目の加害者が加入する任意保険会社は、依頼者の怪我は主に1事故目が原因であり、軽微な2事故目によって症状が悪化したとは考えられないと主張し、賠償責任があること自体を争いました。

本件では、1事故目の加害者は任意保険に加入していないため、自賠責保険で賄えない部分については本人に直接請求する必要がありましたが、本人の場合は資力や交渉力に大きな不安がありました。
そこで、1事故目と2事故目は異時共同不法行為の関係にあることを根拠に、2事故目の加害者の任意保険会社に対して、1事故目による損害も含めて賠償請求することにしました。

2事故目の任意保険会社は賠償責任の存在自体を争い、交渉は難航しましたが、弁護士が訴訟に移行する意思も示しつつ粘り強く交渉した結果、任意保険会社が賠償責任を認め、相当額を賠償する内容の示談に至ることができました。