血縁上の父兄だが、法律上の親族ではない遺族に慰謝料の支払いが認められた事例
弁護士法人ALGに依頼した結果 | ||||
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賠償金額 | 提示なし(支払い拒否) | → | 1000万円以上 | 支払いが認められる |
過失割合 | 3対7 | → | 15対85 | より有利になるよう修正 |
事案の概要
本件は、20歳代の若者であった被害者が、バイクで通勤中に、工場の敷地内に路外進出しようとしていた相手方車両と衝突し、死亡したという事案でした。
被害者は、2歳の頃から、血縁上の父及び兄と同居していましたが、父が認知をしていなかったため、依頼者である父及び兄との間に、法律上の親族関係がありませんでした。なお、被害者の母は、遠方で生活していました。
福岡法律事務所・交通事故案件担当弁護士の活動および解決結果
交通事故の場合の慰謝料については、一般的に、①被害者本人に死亡慰謝料が発生し、それが法定相続人に相続される、②法定相続人その他の近親者には、固有の慰謝料が発生する、との考え方が取られています。裁判例上、①の慰謝料は、2000万円を上回ることも少なくありませんが、②の慰謝料は、数十万円~数百万円に留まることが一般です。
しかし、本件のように、被害者が、幼少期から、法律上の法定相続人以外の者に育てられているような場合、②の慰謝料のみしか認められないとなると、慰謝料の額が、不当に低く評価されることになってしまいます。弁護士は、そのような結論はおかしいと考えて、被害者の幼少期からの生活状況を、細かに主張立証しました。
その結果、裁判所から、自賠責の慰謝料支払い基準(被害者本人分350万円、遺族2名の場合650万円との定め)を参考に、裁判基準の慰謝料額を、35:65で、母(法定相続人)と、父(法定相続人ではない)に分配することを内容とする和解案が提案されました。被告側保険会社においても真摯なご対応をいただき、結果、上記和解案を骨子とし、依頼者2名が計1000万円以上の慰謝料を得ることを内容とする和解が成立しました。
なお、過失割合については、相手方の前方不注視を重く評価し、15:85との過失割合で、和解成立となりました。
本事案は、極めて例外的な事案ですので、他の案件に直ちに参考になるものではありませんが、「近親者慰謝料だけなら100万円前後」といった安易な考え方をしないように、戒めとなる事案でした。
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