確定申告をしていない個人事業主の逸失利益について、賃金センサスの平均賃金を基礎収入として認められた事例
事案の概要
依頼者の事故態様は、信号のない交差点へ低速度で進入したところ、交差道路から前方不注視で交差点内に進入してきた相手方車両と衝突されたというものでした。
依頼者は、事故後通院治療を開始して1ヶ月経過した頃には、相手方との交渉に疲れてしまい、専門家による助力の必要性を感じられ、弊所がご相談を受け、ご依頼を頂戴しました。
福岡法律事務所・交通事故案件担当弁護士の活動および解決結果
担当弁護士が依頼者から事故後の経過を聴取したところ、物損は示談が済んでいるとはいうものの、車両保険を使っており、どうせ保険料が上がるなら過失割合はいくらでもいいと考え、相手方の言い値で依頼者:相手方=3:7として示談をしていました。また、依頼者は自営業者でしたが、確定申告をしていませんでした。
担当弁護士は、依頼者に対しては治療に専念してもらうよう助言し、通院治療を終えた後、後遺障害等級認定申請を行った結果、後遺障害等級14級9号が認定されました。
休業損害については、依頼者が確定申告をしていなかったうえ、会計はいわゆるどんぶり勘定だったことから、実際の収入を説明することは難しい状況でした。相手方の休業損害の提示は0円でした。
過失割合と依頼者の基礎収入を色々なパターンで検討した結果、過失割合は3:7のままで、基礎収入やその他の賠償額を向上させるほうが得になる状況でした。
そこで、過失割合の修正に拘らず、賠償額をそれぞれ増額させる方針を取りました。
交渉の結果、過失割合による減額前の賠償額の値は弁護士基準どおりとなり、通院慰謝料は約120万円、後遺障害慰謝料は110万円、後遺障害逸失利益は基礎収入について賃金センサスの全男性平均賃金を基に約120万円となりました。
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