交通事故に強い法律事務所へ弁護士相談|弁護士法人ALG

交通事故専属のスタッフが丁寧にご対応します

0120-589-887

相談受付全国対応

24時間予約受付・年中無休・通話無料

0120-589-887

偽関節と後遺障害について

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

「偽関節って何?」「関節の偽物?」等、偽関節という言葉に聞き覚えのない方も多いでしょう。 本記事では、偽関節について、後遺障害等級の認定方法に重きを置いて説明していきます。

交通事故被害者専用 相談窓口まずは交通事故の受付スタッフが丁寧にご対応いたします

0120-589-887

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

交通事故で偽関節になってしまったら

偽関節とは、骨折した部位の再生(骨癒合)が停止したため完全には癒合せず、本来関節ではない部分が関節のように動くようになってしまった状態をいいます。「偽りの関節」という意味で偽関節と呼ばれますが、癒合不全のことをいいます。基本的には長管骨(上肢では上腕骨・前腕の橈骨・尺骨、下肢では大腿骨・腓骨・脛骨)で生じます。 骨癒合が遅れてはいるものの停止していない状態である、遷延治癒という状態も考えられますが、骨折から6ヶ月近く経過しても骨折部分にずれがある場合には、偽関節が疑われます。 もしも偽関節が生じてしまったら、病院で適切な治療を受けるとともに、後遺障害等級認定申請の準備をしましょう。

治療方法

偽関節が生じた場合、病院では、基本的に次のような手術療法が行われます。

上肢の場合
・プレートや髄内釘による再固定術…空洞になっている骨の中に、髄内釘(ネイル)と呼ばれるインプラントを入れて固定する治療法
・自家骨移植術…被害者本人の骨盤や脛骨、大腿骨等から骨を採取し、偽関節部に移植する治療法

下肢の場合
・プレートや髄内釘による再固定術
・偽関節部の粉砕術…小さく切開した皮膚から、偽関節部を骨ノミで砕いて新しく骨を作ることを促進し、治癒を図る治療法

偽関節になる原因

偽関節は、骨折部の癒合不全により生じます。 骨折すると、骨折部の骨片と骨片の間に新たな組織が作られ、これが骨組織に変わることで癒合します。しかし、骨片の欠損や血行不良等により、この組織が作られないと骨は癒合しません。例えば、大腿骨等骨折のように、骨折により骨と骨の動脈が切断されたような場合には、血行の流れが悪くなり、癒合に時間がかかったり、癒合しなかったりします。 特に、糖尿病のような内分泌障害や栄養障害は、偽関節の原因となりやすく注意が必要です。 さらに、骨折の手術部位に骨髄炎(骨折部を含め骨に細菌感染が起きた状態)があると、骨がなかなか癒合しない場合もあり、これを感染性偽関節といいます。

偽関節の症状

偽関節の症状は、次のようなものです。

  • 関節部の動作不良…偽関節部が関節のように曲がってしまう
  • 骨の異常…血管神経や筋肉を圧迫し、身体組織に悪影響が及ぼされる
  • 偽関節部の痛み
  • 力が入らなくなる等

偽関節で認定される可能性のある後遺障害等級

偽関節の後遺障害が認定されるのは、以下のような症状に該当する場合です。

後遺障害等級 認定の要件
7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級8号 1上肢に偽関節を残すもの
8級9号 1下肢に偽関節を残すもの

*「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、常に硬性補装具を必要とするもので、次のいずれかに該当するものをいいます。
(a) 上腕骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの
(b) 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残すもの

*「偽関節を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
(a) 上腕骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残すもので、上記(a)以外のもの
(b) 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残すもので、上記 (b)以外のもの
(c) 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

交通事故被害者専用 相談窓口まずは交通事故の受付スタッフが丁寧にご対応いたします

0120-589-887

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

弁護士にご相談ください

交通事故により骨折してしまった場合、重要なのは、偽関節が残らないよう、しっかりと治療をすることです。しかし、適切な治療を受けたにもかかわらず、偽関節が残ってしまった場合には、ご自身の状態を踏まえた後遺障害等級認定を受け、適正な賠償を受け取るべきです。 偽関節の治療は長期に渡るため、保険会社が事故との因果関係が認めないと主張し、治療費の支払いを打ち切ることがあります。このような事態を防ぐためにも、交通事故はもちろん、医療問題にも強い弁護士に早期に相談しておき、因果関係の立証ができるようにしておきましょう。 また、医療に強い弁護士は、法的知識だけでなく、医療知識も必要とされる後遺障害等級認定についても詳しく、適正な後遺障害が認定されるためのアドバイスをすることができます。 適切な後遺障害の認定を受け、適正な賠償を受けるためにも、後遺障害等級認定申請の経験があり、医療問題に強い弁護士が集まる弁護士法人ALGにご相談ください。

交通事故による偽関節で後遺障害が認められた裁判例

【東京地方裁判所 平成24年7月17日判決】

<事案の概要>

本事案は、丁字路交差点を青信号で直進していた原告に、右折してきた被告運転の普通乗用自動車が衝突し、受傷した原告が、被告に対して損害賠償を請求した事案です。 本事故により、原告は、右大腿骨骨折等の傷害を負い、自賠責保険の定める後遺障害等級表8級9号「1下肢に偽関節を残すもの」に該当する後遺障害が残ったとの認定を受けたため、被告に対して損害賠償を請求しました。 争点は、本件事故と相当因果関係のある後遺障害の有無及び程度、症状固定に関する事情を原因とする過失相殺の有無です。

<裁判所の判断>

裁判所は、前提事実として、①原告の右大腿骨骨幹部の骨折部位は、仮骨が形成されているものの、骨癒合には至っておらず、明らかな肉芽腫の形成や炎症所見はみられず、偽関節を形成していること、②偽関節手術の不利益を考慮し、偽関節手術を受けるつもりのないことを確認しました。 そして、原告が偽関節手術を受けなかったことについて、①偽関節手術に伴う身体の負担は小さくないこと、②偽関節手術は必ず骨癒合をもたらすとは限らなく、偽関節等の治療法として絶対的なものとみることもできないこと、③現状、髄内釘による内固定により、歩行能力が改善し就労を再開できていることを考慮し、偽関節手術を受けないことをもって、医学上通常かつ相当な治療を欠いているとはいえず、偽関節手術を受けないとした原告の判断が合理性を欠いているものと評価することもできないから、こうした事情を理由に、事故と後遺障害との相当因果関係を否定したり、その範囲を制限したりするのは相当ではないと判断しました。 このような認定事実を考慮し、裁判所は、症状固定時において、原告には偽関節等の後遺障害が残ったとして、後遺障害等級表8級9号に相当するものと認定しました。

交通事故弁護士 TOPページへ

交通事故被害者専用 相談窓口まずは交通事故の受付スタッフが丁寧にご対応いたします

0120-589-887

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治
監修 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
監修 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
増額しなければ成功報酬は頂きません

交通事故事件の経験豊富な
弁護士が全面サポート

増額しなければ成功報酬は頂きません

弁護士費用特約を使う場合
本人原則負担なし※保険会社の条件によっては
本人負担が生じることがあります。

弁護士報酬:成功報酬制

  • 着手金0円
  • 相談料0円
  • 弁護士費用後払い

※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合

※事案によっては対応できないこともあります。

※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。

交通事故弁護士 TOPページへ

その他後遺障害に関する記事

後遺障害後遺障害診断書の「自覚症状」の記入例や伝え方のポイント【後遺障害】労災と自賠責の両方に申請できる?後遺障害の基準となる手のひら大について解説いたします後遺障害等級の認定率について交通事故で腎臓に後遺障害が残ったら交通事故によるうつ病と後遺障害認定交通事故による脾臓損傷の後遺障害交通事故による肋間神経痛と後遺障害交通事故で神経痛の後遺障害が残ることはあるのか後遺障害等級10級の慰謝料相場と等級認定のポイント交通事故で足切断した場合の慰謝料交通事故による動揺関節と後遺障害自律神経失調症と後遺障害認定交通事故で内臓破裂した時の後遺障害について交通事故で外傷性くも膜下出血になってしまったら後遺障害等級14級の慰謝料はいくら?症状や請求方法は?人工関節置換の後遺障害について後遺障害等級12級の慰謝料と認定基準について末梢神経障害を後遺障害として認めてもらうには交通事故で骨折をしたら? 骨折で請求できる慰謝料や相場を解説足の痛みの原因と後遺障害外貌醜状|交通事故で傷跡が残った場合の後遺障害等級と認定ポイントRSD、CRPSによる疼痛の種類と後遺障害等級全身打撲は後遺障害になるのか?緑内障における後遺障害と視野障害・視力障害の慰謝料骨挫傷は後遺障害に認定される?交通事故で聴力障害が発症した場合の後遺障害と慰謝料について後遺障害の併合とは|ルールや慰謝料への影響について解説ふらつきが続く場合の原因と後遺障害交通事故で腰部脊柱管狭窄症になった時の後遺障害腱板損傷と後遺障害パニック障害は後遺障害になるのかTFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷と後遺障害交通事故による手足のしびれの後遺障害|慰謝料相場や認定について股関節唇損傷と後遺障害について交通事故によるPTSDが後遺障害として認定されるために交通事故により遷延性意識障害となった場合の後遺障害や賠償金について詳しく解説胸郭出口症候群と後遺障害後縦靭帯骨化症(OPLL)とは? 交通事故との関係について交通事故で関節に可動域制限が残った場合 | 後遺障害認定について交通事故によって家族が意識不明になってしまった場合にするべきこと肺挫傷と後遺障害について交通事故が原因による耳鳴りの後遺障害等級認定について運動障害になる原因と後遺障害等級車椅子が必要になった時の費用は相手に請求できる?交通事故後、吐き気が続いて気持ち悪い…後遺障害として認められるのか交通事故で腕が上がらなくなったら後遺障害等級認定されるのか?交通事故による握力低下と後遺障害の解説びまん性軸索損傷の解説│症状や後遺障害など交通事故による【麻痺】と後遺障害について交通事故後の腰痛の原因と後遺障害交通事故後の眼振と併発する傷病の後遺障害と慰謝料について半月板損傷の症状と後遺障害バレリュー症候群の治療法と後遺障害について交通事故による脊髄損傷の後遺障害等級・慰謝料・逸失利益について交通事故の後遺症が残りそうだと診断された場合の対処法膝の痛みは後遺障害認定される?認定要件と慰謝料椎間板ヘルニアの後遺障害と認定に必要な因果関係嗅覚障害の後遺障害と慰謝料交通事故後に認知症を発症した場合の因果関係交通事故による後遺症の種類後遺障害診断書とは?記載内容・書式のもらい方・費用などを徹底解説!咀嚼の機能障害と慰謝料ストレートネックの症状と後遺障害・むちうちとの違い交通事故と頚椎ヘルニア|後遺障害認定のポイント腰椎捻挫の後遺障害|しびれが残る場合の慰謝料顎関節症の後遺障害と慰謝料|神経症状・開口障害高次脳機能障害の症状|後遺障害認定のポイント後遺障害が認定されない理由と異議申し立ての3つの方法について複視になる原因と後遺障害と慰謝料交通事故による頭痛の後遺障害と慰謝料|むちうちとの関係とは?交通事故で脳挫傷になってしまったら脳損傷の後遺障害|交通事故による症状について交通事故後のてんかんの後遺障害と慰謝料について交通事故で坐骨神経痛が発症した時の慰謝料と後遺症について交通事故で脳震盪になった場合の症状と慰謝料について交通事故で脳脊髄液減少症になった時の慰謝料と治療法、原因について交通事故で脳出血を起こした場合の慰謝料と後遺症についてめまいの原因はむちうち?!交通事故の影響とは交通事故後に脳梗塞になった場合の慰謝料と因果関係について靭帯を損傷した場合の慰謝料と後遺障害認定のポイント